はじめに
大腸癌の死亡率は、女性で1位、男性では3位となっていますが、早期発見できれば助かる癌、予防できる癌です。

そこで、当院は安楽に受けられる鎮静剤下での大腸カメラで早期発見の実績を積んできました。
安楽な大腸カメラについてはこちら
しかし、なかには不安が強く中々踏み切れない方や⼀定の苦痛を感じる方もおられます。
最近メディアでも取り上げられる大腸CTは、より簡単に苦痛なく大腸癌やポリープの有無が確認できる新しい検査です。
当院でも新潟のクリニックに先駆け大腸CT(CTコロノグラフィー:CTCとも呼ばれます)を導入することに致しました。



大腸CTの特徴
大腸CTはこんな方におすすめ
精査や経過観察が必要と⾔われたが、不安があり、できれば受けたくない方
癌やポリープの有無を簡便に、苦痛少なく調べたい方
癒着や腸が⻑いために内視鏡検査が⾟かったり難しかった方
なるべく早く検査を行いたい方(予約待ちほぼ無し)
何がすごいの!?大腸CT
痛みをほぼ感じません。
これにより鎮静剤を使う必要もなく、当日の運転制限がありません。
お腹のハリもすぐに消失します。
⼤腸全体を死角なく検査できます。(ヒダに隠れた病変の検出はカメラより得意)
スピーディな検査です(所要時間は10分〜15分)
オンライン診療を組み合わせると来院は検査日の1回ですみます。
偶発症が殆ど起こりません。
低被ばくなのに⼤腸全体だけでなく、他の臓器も同時に観察できます。
大腸カメラと大腸CTの比較
どちらを選べばいいの!?
大腸カメラ | 大腸CT | |
---|---|---|
精度 | ◎高い | ◯ 6mm以上(要治療の大きさ)では十分な精度。 それより小さいと大腸カメラに劣る。 |
下剤の量 | ◯~▲ 少量の下剤のオプション有 |
◯~▲ 少量の下剤のオプション有 |
苦痛 | ◯~▲ 鎮静剤が使用可 |
◯ ほとんどない |
検査時間 | 10~30分 | 15分程度 |
検査不能 | 極まれに挿入不可例がある | 妊婦のみ |
結果 | ポリープがなければ当日 | 1週間 |
予約待ち | 通常あり | 最短翌日に撮影可能 |
大腸CTの費用・デメリット
デメリット
残便などで疑陽性(残便をポリープと誤認識)が出ることがある
5mm以下のポリープの検出度は⼤腸カメラに比べて低い(ただし、これらの⼩さなポリープは、切除せず経過観察でも良いとされています)
治療や精査が必要な病変が指摘された場合、⼤腸カメラを受ける必要がある
前処置が十分でないと⾒逃しが多くなる
潰瘍性⼤腸炎など、粘膜の変化が主体で隆起性病変ではないものは診断できない
費用
CTの検査代は3割負担で約6,000円です。
※診察料などが別にかかります。
大腸CTの実際
モニターの体験動画
実際の流れが確認できます。
前処置の流れ
基本的には、検査当日の朝から下剤を飲んでいただきます。
当院では2日に分けて飲むことで1回の量を減らす2日法も選択できます。
他にも、前日と当日にわずか150mlずつの下剤を飲むタイプもございます(ただし、1週間程度軟便化させていただきます)。
また、味が苦手な方にも飲みやすいよう、数種類の下剤をそろえており安心です。
※オンライン診療経由でのCTCでは、配送の関係でニフレックという下剤、2Lを用います。どうしても別の下剤が良い場合は送料等ご相談させていただきます。
大腸CT受診方法
予約、検査、結果説明と3回診察があります。
下記のオンライン診察を用いれば来院での受診は1回だけで済みます。
① 予約
オンライン診療、または実際に来院して頂きます。
予約専用 オンライン診療フォーム
※ 前処置の為の薬と説明用紙を送付します。それに従い、ご自身で前処置を行って頂きます。
② 検査日
受付、CT撮影、帰宅となります。
所要時間は1時間以内が目安です。
③ 結果説明
検査日の翌週~、オンライン診療、または実際に来院して頂きます。
結果説明専用 オンライン診療フォーム
よくある質問
妊娠の可能性がある⼈、妊婦・ 突然の嘔吐と便秘など、腸閉塞を疑う症状がある⼈
精度の観点からは大腸カメラです。
しかし、苦痛や不安から、なるべく行いたくないと考える方も多くおられます。
そのような場合はまず、大腸CTを撮ってみると良いでしょう。
はい、必要です。
大腸CTの前処置は大腸カメラと同量の下剤を⽤いる方法と、タギングといわれる⼿法を⽤い半量以下の下剤で行う方法の2種類があります。
当院では、精度を高めるために主に前者を用いております。後者をご希望の場合も可能ですので、お申し付けください。
ただし、便秘薬の併用を要す場合があります。
検査は約15 分で終了します。
検査着でCTの撮影台に横になっていただきます。
肛⾨にストロー程度の管をわずかに入れます。ほとんどの方は気になりません。
専⽤の機械で腸管内圧をモニターしながら、炭酸ガスで十分に腸を膨らませます。
腹這いと仰向けの体位で撮影します。
腸管内のガスを脱気し、チューブを抜いて終了です。
※炭酸ガスは腸管から~消失します。検査後に、気を付ける点はなく、普通通り生活していただいて構いません。消化の良いものから召し上がってください。

欧⽶や⽇本での臨床試験の結果から、6mm以上の病変の診断において大腸CT は大腸カメラに劣らない結果を得ています。
ただし、平坦に広がるタイプの病変では精度が十分でありません。このタイプは良性腫瘍が主体ですが、リスクについては念頭に置く必要があります。
研究によれば、83%の方が非常に楽に検査を受けることができ、苦痛・非常に苦痛と感じた方はわずか 1.9%でした。
また、前処置に関しても58%の方が満⾜しており、不満を感じた方は3.6%にとどまりました。(大腸カメラに比べて。東近江市蒲生医療センター調べ。) 加えて、安全性の⾯でも合併症が殆ど無いことが全国調査で⽰されています。
大腸CT検査では、組織採取やポリープ切除ができません。
病変が指摘された場合、大腸カメラで、処置や治療を行う必要があります。
1週間で結果説明ができます。
(対⾯、またはオンライン診療)
この場合に、実際に大腸癌がある方は多いとは言えません。
しかし、大腸CTでは5mm以下のポリープや、平坦に広がる病変の検出力が低いとされます。確率が低いとはいえ大腸CTの再検が必要でしょう。