糖尿病

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糖尿病とは

糖尿病とは、血液中の糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。これは、膵臓がつくるインスリン(血糖を下げるホルモン)の作用が不足したり、効きにくくなることで起こります。
放置すると、心臓や腎臓、目、神経などに合併症を引き起こす可能性があります。
 
新潟県の糖尿病有病率は、人口1万人あたり約220人と全国平均(約260人)より低いものの、患者数は増加傾向にあります。
また、新潟県の人口10万人当たり死者数は、ここ10年で約2割上昇(増加傾向)しています。

産経新聞 2024/12/21

 
プラーカ中村クリニックには高血圧を専門的に診察できる総合内科専門医、内科認定などが複数在籍しています。

糖尿病の症状

無症状で進行し、重篤な状況になってから症状に気づくことが多い病気です。
頻尿、口渇、倦怠感、視力低下などや下記のような合併症が有名です。
 

糖尿病の主な合併症

目の病気(糖尿病網膜症)

血糖値のコントロールができないと、目の奥の血管が傷つき、視力低下や失明の原因になります。
 

腎臓の病気(糖尿病腎症)

腎臓の働きが悪くなり、人工透析が必要になることもあります。
 

神経の病気(糖尿病神経障害)

手足のしびれや痛み、感覚の鈍さが現れます。悪化すると足の傷が治らず腐ってしまい、切断が必要になる場合もあります。
 

心臓や脳の病気

高血糖が動脈硬化を進め、心筋梗塞や脳卒中などの命に関わる病気のリスクが高まります。

糖尿病の診断

診断は、フローチャートに従います。
 
糖尿病型:血糖値 空腹時 ≧126 mg/dL OGTT 2時間値 ≧200 mg/dL 随時 ≧200 mg/dLのいずれか HbA1c ≧6.5%
糖尿病フローチャート

(清野 裕ほか:糖尿病 55: 485-504, 2012 より引用)

 
ただし、糖尿病の典型症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)や糖尿病網膜症がある場合は1回の糖尿病型の判定をもって確定診断となります。

糖尿病の治療のポイント

当クリニックでは、患者様の生活スタイルに合わせた食事運動療法、薬物療法で糖尿病の進行を防ぎます。
 
患者さんの状況に合わせた生活指導を行いつつ、HbA1c 7%を目安に薬物療法を開始します。
 
糖尿病は特に、体重管理などの生活習慣改善が効きます。頑張った分だけ、お薬からの卒業が見えてきます。

糖尿病の治療薬

 

1.インスリンを増やすお薬

 膵臓を刺激してインスリンを増やす薬

SU薬(例: アマリール): 食事に関係なく、膵臓を直接刺激してインスリンを増やします。
速効型インスリン分泌促進薬(例: スターシス): 食後の急な血糖上昇を抑えます。
 

 インクレチン関連薬

DPP-4阻害薬(例: ジャヌビア): インクレチン(血糖値を調節するホルモン)を長持ちさせ、食事のときだけインスリンを増やします。
GLP-1受容体作動薬(例: オゼンピック): インクレチンの一種である「GLP-1」というホルモンを補います。マンジャロはGLP-1だけでなくGIPにも作用します。
 

特徴

・ インスリンを増やしつつ、胃の動きをゆっくりにして食欲を抑える働きもあります。
・ 注射タイプが多いですが、一部飲み薬もあります(例: リベルサス)。
・ 体重減少が期待できる場合もあります。
 

2.インスリンの効き目を良くするお薬

ビグアナイド系(例: メトグルコ)

肝臓で糖を作りすぎるのを抑えます。肥満がある方にもよく使われます。
 

チアゾリジン系(例: アクトス)

筋肉や脂肪でインスリンが効きやすくなるお薬です。
 

3.糖の吸収や排出を調整するお薬

α-グルコシダーゼ阻害薬(例: グルコバイ)

糖の吸収をゆっくりにし、血糖値が急に上がるのを防ぎます。食事の直前に服用します。
 

SGLT2阻害薬(例: ジャディアンス)

余分な糖を尿として排出するお薬です。体重減少や血圧の改善、腎臓や心臓の保護にもつながることがあります。
 

4. インスリンの注射

自分の膵臓でインスリンが十分に作れない場合や、血糖値が非常に高い場合には、インスリン注射を使います。

よくある質問

はい、症状がなくても治療は必要です。糖尿病は初期には自覚症状が少ないことが多いですが、放置すると合併症が進行する可能性があります。定期的な検査と適切な治療を継続することが重要です。

現在の医学では、糖尿病を完全に治すことは難しいですが、適切な治療と生活習慣の改善により、血糖値を正常に保ち、合併症のリスクを減らすことが可能です。

食事療法は、バランスの取れた食事を規則正しく摂ることが基本です。主食・主菜・副菜を組み合わせ、過食を避けることが大切です。個々の状況に応じた食事計画については、医師や栄養士と相談してください。

週に150分程度の中等度の有酸素運動(例:速歩)を目標にしましょう。ただし、個々の体調や合併症の有無によって適切な運動量は異なりますので、医師と相談の上、無理のない範囲で行ってください。

糖尿病の主な合併症には、網膜症(失明)、腎症(人工透析)、神経障害(手足のしびれや痛み)などがあります。これらは血糖コントロールが不十分な場合に進行する可能性があるため、定期的な検査と適切な治療が重要です。

参考文献

  • 日本糖尿病学会 編『糖尿病治療ガイド 2023–2024』(文光堂)

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病」

  • 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター「糖尿病診療ガイドライン2024(患者向け)」

  • 日本糖尿病協会「糖尿病Q&A」

  • 日本生活習慣病予防協会「糖尿病とは」

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