肝機能異常と検査

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沈黙の臓器・肝臓

肝臓は、沈黙の臓器と言われています。
その理由は、病変が進行して手が付けられない状態にならないとなかなか症状が出てこないからです。

こんな方は要注意

 肝機能異常を指摘された方
 肝炎ウイルスや脂肪肝を指摘された方
 飲酒習慣のある方

男性40g以上、女性20g以上。共に60gを超える場合は多量飲酒者となります。
肝疾患以外にも、各臓器のがん、脳萎縮や自殺などのリスクが上昇します。
 
参考:減酒.jp

肝機能異常は何がダメなの?

肝機能異常は、“肝臓の炎症により肝細胞が破壊され、中身が漏れ出ている状態”と考えられます。
このような破壊と再生により肝臓は徐々に硬くなり、肝硬変に至ります。また、肝臓が働かなくなる”肝不全”や、”肝癌”などの命に係わる病気を引き起こします。

しかし、長い時間をかけて進行する為、当分は、数値異常はあるものの症状がない期間が続きます。

そのため、患者さんは「まあ、いつものことだし」と放置しがちです。そして、気が付いた時には取り返しがつかない状態に至ってしまいます。
肝逸脱酵素(肝機能)の異常を指摘されたら放置せずに、原因の精査と肝臓の状態の評価をしっかりと行いましょう。
その為には、専用のエコー(後述)などの設備があり、専門医が在籍するクリニックや病院の受診が必要です。
 

肝機能異常のイメージ

肝臓の病気

肝臓には、実に様々な病気があります。
重篤な症状を来す病気には、癌、胆道結石、感染症、肝不全などがあります。

その原因は多岐にわたり、肝硬変、ウイルス、生活習慣病(体重など)、アルコール、代謝疾患(甲状腺機能異常など)、自己免疫疾患など様々です。

肝臓の検査

肝機能異常の精査は、肝硬度を評価するものと、癌など疾患の存在を評価するもの、に大別されます。
命に関わる肝疾患の多くは、肝臓が硬くなることで出現してきます。そこで、肝硬度(線維化の程度)の評価も重要となってきます。
 

肝硬度(線維化)を評価する検査

 採血(FIB-4 index、M2BPGi、など)
 肝硬度測定機能付きエコー (Shear Wave Elastography)
 
せん断波という波を発生させ、肝臓での伝播速度を元に”硬さ”を数値などで表示します。
硬さ(線維化)がそれほどでない方は、線維化の悪化が無いか、年1回程度で経過観察すれば十分です。
逆に、それなりに硬くなってしまっている場合は、線維化の程度により定期的な(癌の有無などを調べる)検査を行う必要があります。
 

肝機能異常のイメージ
(Canon HP、Aplio Verifiaより引用)

癌など疾患の存在を評価するもの

エコー

お腹にゼリーを塗ったプローベを当て、超音波により臓器を描出します。癌、結石、出血などの病気がわかります。
痛みや被爆などが無く、そのため、肝臓を調べる際の基本検査とされています。

エコー検査のイメージ画像

MRI、CT

当院のCTは短時間、高画質、低被ばくなのが特徴です。脾腫や腹水、などがとても良くわかります。
当院のMRIは高画像で(MRIとしては)短時間なのが特徴です。肝臓内のしこりを見つけたり、大きさや性状の評価に有用です。
造影剤を用いたdynamic CT/MRIが肝臓癌に対して最も精度が高いと言われていますが、腎臓への悪影響、被ばく、クリニックでは行えない、というデメリットがあります。
当院では、肝硬度測定のできる腹部エコーを基本としながらも、専門の採血項目やMRIを適宜追加することで、肝癌をはじめとする多くの肝疾患の早期診断に努めています。

MRIのイメージ画像

MRI、CTの詳細はこちら

検査費用の例

腹部超音波(エコー)

3割負担

1500円強

肝硬度測定機能付きエコー

3割負担

2190円

腹部MRI

3割負担

6000円前後

腹部CT

3割負担

4500円前後