
新潟の生活環境と不眠の関係
新潟市は冬季に日照時間が少なく、曇りや雨の日が多い地域です。
このような環境は、体内時計(サーカディアンリズム)が乱れやすく、睡眠の質やタイミングに影響を与えることがあります。
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冬の長い暗さや寒さにより、外出機会が減り、活動量が低下 → 寝つきが悪くなる
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夏冬の寒暖差が大きく、季節の変わり目に自律神経が乱れやすい
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除雪や雪道運転など冬のストレス要因が、心理的負担や睡眠トラブルに影響
新潟では、このように「朝になっても暗い」「活動量が少ない」「夕方も暗くて気分が落ち込みやすい」など、メンタルと睡眠リズムが両方に乱れやすい環境になりやすいといえます。
不眠症とは
不眠症とは、「眠ろうとしてもなかなか眠れない」「夜中に何度も目が覚める」「早朝に目が覚めてしまう」「眠った気がしない」といった症状が続き、日常生活に支障をきたす状態をいいます。
不眠症の主なタイプ
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入眠障害:寝つきが悪く、30分〜1時間以上眠れない
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中途覚醒:夜中に何度も目が覚める
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早朝覚醒:予定より2時間以上早く目が覚めてしまう
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熟眠障害:睡眠時間は確保しているが、眠りが浅く熟睡感がない
不眠の原因
生活習慣・環境の影響
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スマホ・パソコンのブルーライト
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夜遅くの食事やカフェイン摂取
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不規則な生活リズム
心理的・身体的要因
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ストレス、不安、うつ病などの心の不調
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頻尿・喘息・高血圧など体の病気
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加齢に伴う睡眠リズムの変化
不眠症の治療法
不眠症の治療は「原因に合わせたアプローチ」が大切です。
睡眠衛生指導(生活習慣の見直し)
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就寝・起床時間を毎日一定にする
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就寝前のスマホ・PCを控える
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軽い運動習慣を取り入れる
認知行動療法(CBT-I)
眠れないことへの「不安」や「こだわり」を解きほぐすことで、薬に頼らず睡眠改善を図る心理療法です。
不眠症の治療薬の種類と特徴
当院では必要に応じて、以下のような治療薬を使用しています。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬
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【例】フルニトラゼパム(ロヒプノール)、トリアゾラム(ハルシオン)など
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【作用機序】GABAの働きを高め、脳の興奮を抑える
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【特徴】効果が強く即効性があるが、依存・耐性に注意が必要
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
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【例】エスゾピクロン(ルネスタ)など
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【作用機序】GABA受容体に選択的に作用し、自然に近い睡眠を促す
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【特徴】比較的副作用が少なく、翌朝の眠気も軽減されやすい
メラトニン受容体作動薬
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【例】ラメルテオン(ロゼレム)
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【作用機序】体内時計を整えるホルモン「メラトニン」の受容体に働きかける
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【特徴】依存性がなく、体内リズムを整えるのに適している
オレキシン受容体拮抗薬
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【例】スボレキサント(ベルソムラ)、レンボレキサント(デエビゴ)
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【作用機序】覚醒を維持するオレキシンという物質の働きをブロックする
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【特徴】自然な眠気を誘導し、依存性が少ない。中途覚醒にも有効
こんな症状はご相談ください
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寝つくまでに1時間以上かかる
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夜中に何度も目が覚める
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朝早く目が覚めてしまい、その後眠れない
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日中に強い眠気やだるさがある
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寝ても疲れが取れない
不眠は心と体に大きな負担をかける病気です。
症状がある場合、いつでもご来院ください。