肝臓は、沈黙の臓器と言われています。
その理由は、病変が進行して手が付けられない状態にならないとなかなか症状が出てこないからです。
肝機能異常は、“肝臓の炎症により肝細胞が破壊され、中身が漏れ出ている状態”と考えられます。
このような破壊と再生により肝臓は徐々に硬くなり、肝硬変に至ります。また、肝臓が働かなくなる”肝不全”や、”肝癌”などの命に係わる病気を引き起こします。
しかし、長い時間をかけて進行する為、当分は、数値異常はあるものの症状がない期間が続きます。
そのため、患者さんは「まあ、いつものことだし」と放置しがちです。そして、気が付いた時には取り返しがつかない状態に至ってしまいます。
肝逸脱酵素(肝機能)の異常を指摘されたら放置せずに、原因の精査と肝臓の状態の評価をしっかりと行いましょう。
その為には、専用のエコー(後述)などの設備があり、専門医が在籍するクリニックや病院の受診が必要です。
肝臓には、実に様々な病気があります。
重篤な症状を来す病気には、癌、胆道結石、感染症、肝不全などがあります。
その原因は多岐にわたり、肝硬変、ウイルス、生活習慣病(体重など)、アルコール、代謝疾患(甲状腺機能異常など)、自己免疫疾患など様々です。
肝機能異常の精査は、肝硬度を評価するものと、癌など疾患の存在を評価するもの、に大別されます。
命に関わる肝疾患の多くは、肝臓が硬くなることで出現してきます。そこで、肝硬度(線維化の程度)の評価も重要となってきます。
せん断波という波を発生させ、肝臓での伝播速度を元に”硬さ”を数値などで表示します。
硬さ(線維化)がそれほどでない方は、線維化の悪化が無いか、年1回程度で経過観察すれば十分です。
逆に、それなりに硬くなってしまっている場合は、線維化の程度により定期的な(癌の有無などを調べる)検査を行う必要があります。
(Canon HP、Aplio Verifiaより引用)
腹部超音波 1500円強(3割負担)
腹部MRI 6000円前後(3割負担)
腹部CT 4500円前後 (3割負担)
病院と診療所(クリニック)が協力する「病診連携」が、これからの医療のキーワードのひとつです。
皆様のかかりつけ医として、病状に合った適切な専門医へのご紹介を積極的に行います。
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