超音波検査(US)とマンモグラフィー(MMG、乳腺専用のレントゲン検査)、それぞれ長所短所があるものの、個人検診ではUSが優ると考えています。
理由として日本人の乳がんの好発年齢40-50歳代の7割は、MMGでは病変が見つかりにくい「デンスブレスト(高濃度乳腺)」と言われており、このような場合USが断然有利です。
またMMGにともなう痛みや被ばくがないことも、USの大きな利点です。
MMGはおもに集団検診の「ふるい」(=1次検診)として用いられ、超音波検査はおもに精密検査として用いられます。
女性検査技師が検査を担当するので、質問や相談も気軽にできます。
また当院の超音波検査器は高画質で、さらにエラストグラフィーという組織の硬さを相対表示してがんを発見する機能を搭載しています。
予約は不要です。年齢や食事の制約もありません。
プライバシーを尊重した環境で、上半身を脱ぎタオルで覆って検査します。上下に分かれた楽な軽装でお越しください。
女性技師が乳房にゼリーを塗り、プローブ(探触子)という器械を当てて検査します。
痛みも被ばくもなく、約5分で終わります。
検査後、院長がお一人おひとりに、結果説明と検診の指導を行います。
超音波でしこりがあった場合、組織の一部を採取して顕微鏡で検査することがあります(針生検)。消毒、局所麻酔の注射後、穿刺して10分ほどで終了です。当日からお風呂に入れます。
また血性乳汁を細胞の検査に出すこともあります(細胞診)。
乳房のしこりや痛みなど何らかの症状がある場合は健康保険が適応され、3割負担で2,000円ほどです。
一方無症状の人間ドックや検診など健診目的の場合は自由診療で、全額自己負担で4,240円です。
地域や会社から助成がある場合は差額が自己負担額となります。
病理検査には追加費用が約5,000円かかります。
「月に一度自己検診、年に一度超音波」が当院のお勧めする乳がん個人検診です。
乳がん患者さんの7-8割は自分で乳房のしこりに気が付いてから病院を受診しており、これほど自己検診が有用ながんは、ほかにありません。
ただし乳がんの約2割は病変が小さい、深いなどの理由で自己検診では見つけにくいので、超音波検査を受けて下さい。
生理開始後1週間から10日目位がいいでしょう。
人差し指、中指、薬指の3本の指の腹で、乳房の外側から乳首に向けて、順々にもれなく滑らせて行います。
お風呂で石鹸をつけると滑りやすく、わずかな違いが分かりやすくなります。
また仰向けで行うのも良い方法です。しこりが触れてもがんとは限りません。
まずは乳腺外科を受診して下さい。
エコーを行う常勤女性技師は、日本乳がん検診精度管理中央機構の乳がん検診超音波実施技師でA判定認定を取得しています。
また、診察を行う医師も同機構の実施・判定医資格を持ち、定期的に外部講師を招くなどして研修やハンズオンを行ない技術や読影の研鑽に励んでおります。院内でも、定期的に勉強会や画像検討会を行なっています。
病院と診療所(クリニック)が協力する「病診連携」が、これからの医療のキーワードのひとつです。
皆様のかかりつけ医として、病状に合った適切な専門医へのご紹介を積極的に行います。
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